TKBは1997年に結成された日本人のインスト・ジャズ・ロックバンドだ。その編成はギターの梶川朋希(カジカワトモキ)氏をリーダーに、サックス、キーボード、ベース、ドラムの5名からなる。現在六本木ピットインや小岩eM SEVENなどのライブ・ハウスを拠点に、東京近郊で勢力的にライブ活動を行っている。 アルバム『BACK IN TIME』の特徴を概観しよう。 通産4枚目で9曲入り。全て未発表のオリジナル曲である。本作の大半は、2002年夏に千葉県の手賀沼で開かれた野外ライブでの演奏を収録したものである。参加ミュージシャンは上記メンバーの他にゲストとして、タップ、パーカッションそしてコーラスも迎え、絶妙なコラボレーションを繰り広げている。 1970年代のジャズ・ロックの雰囲気を基調に、ラテン、ブルース、ポップスなどの様々なジャンルの音楽を自然な形で溶かし込みながら、これまでにない独自のスタイルを展開している。好評だった前作『Self-reliant Tact』よりも更に深みを増し、TKBの本作に対する激しい情熱が伝わってくるようだ。 アップ・テンポな作品からは骨太で押し出し感のあるサウンドを、バラード作品からは精巧なガラス細工を思わせる美しく澄みきったアンサンブルを味わえる。彼等の演奏技術は、まさにどこを取っても職人芸、と呼ぶに相応しい卓越ぶりだ。 このアルバムはTKB結成6年間の集大成であると同時に、インスト・ジャズ・ロック シーンの新たな可能性を暗示する、言わば記念碑として位置付けられるだろう。 ますます商業化を辿る昨今の音楽業界から離れて、本当に良いものだけを求めている人々にぜひ聴いていただきたい秀逸な1枚である。 なお、このアルバムの一部の試聴が、TKBの公式サイトで可能である。