Web掲載の短編3つと書き下ろし1つで構成されている、チョコレートデイズ2です。
『白雪は「びきに」を知らない』
これは3巻のStory'Tと'Uの間、水無瀬白雪の小田桐勤への気持ちの補足、白峰事件後の水瀬家が中心ですが、なぜか白雪がビキニを着るという作品です。小田桐との仲が進展するというわけではありませんが、白雪の中で小田桐に対する気持ちが確実に決まったようです。そこには、この物語で事件後の水瀬家に起こる、新たな事件もかかわっています。
『テディイベアへ願うこと』
これは4巻から5巻へとつながる話です。小田桐が4巻で精神的にやばい状況になり、ある程度回復したところで、水無瀬幸仁が白雪の手紙を持って訪ねてくる形になります。この物語の最後に小田桐が白雪に書いた手紙が書かれています。話自体はテディイベアの呪いの話ですが、血なまぐさくなく読後感の良い物語になっています。
『七海と雄介の危険な一日』
こちらは5巻の最後、七瀬七海と嵯峨雄介が小田桐の家へ来る前の段階が書かれています。5巻のラストとこの物語のラストがつながっているのが、読むとわかるかと思います。物語は、七海と雄介が連続ひったくり犯と戦うという内容ですが、七海の自転車が破壊したり、2人が拉致されたり、そう思ったら逆に犯人をやっつけたり・・・となかなかアクション的な展開になっています。語り部も三人称という、これまでとは変わった仕様になっています。七海と雄介のテンポの良い掛け合いは必見です。
ここまでが、Web掲載の3作品になります。
最後の1つは書き下ろし作品です。
『私と異分子な彼と彼女と狐』
繭墨あさとの高校時代の話です。今とは性格の違う小田桐や、深山静香も登場します。あさとの話ですが主人公(物語の軸となる語り部)は当時の文芸部部長の美和という女生徒です。過去に裏がある美和、それを知っている転校生の登場で狂っていくのですが、拍車をかけるようにあさとが裏で動きます。「人の願いを叶える」ことしかできない強力な異能者であるあさと。そんなあさとが、高校時代、小田桐の知らないところで何をやっていたかがわかります。そして、あさとや静香とかかわっていくことになる今後の小田桐のことを考えると、単純には片づけられない作品です。
以上4作品掲載の「B.A.D. チョコレートデイズ(2)」
非常に安定したおもしろさを持つこの作品はゆっくりとですが、着実に物語が進んできます。といっても、今回は短編集ということで本編の物語は一時停止でしょうか。繭さんも出番は少なめです。その分他のキャラクターが際立ちます。前回の「B.A.D. 6 繭墨はいつまでも退屈に眠る」も本編は小休止でしたから、息抜きとはいきませんが、違った楽しみが出来るかもしれませんね。
書き下ろし以外はWebで掲載された作品のため既読の方もいるかもしれませんが、書き下ろし作品だけでも読むべきだと私は思います。B.A.Dの世界観がまたさらに膨らみます。
また、「アルティマエース」連載の漫画、「4コマナノエース」連載の4コマ漫画、ここまで長く書きすぎたので詳しくはここでは書きませんが、どちらもおもしろいです。一度読んでみてください。
最後に、あとがきで作者が述べていました次回本編7巻の予告ですが、
7巻は「犬と骸の話」だそうです。