この映画、一般には随分と評価が低い様ですが、私はとてもいい映画だと思います。ギリシャ悲劇を思わせる人生の残酷さと現実を、演劇という人生の縮図のような世界を舞台に、少女ステラの成長を通して描くドラマであり、「結末が残酷だから」「後味悪いから」とこの映画を敬遠する方は、ハッピーエンドの映画がお好みなのでしょう。
主役のケイツも、ヒュー・グラントも、アラン・リックマンも皆素晴らしい。この映画、確かに万人受けではないかもしれません。あの結末はショックです。しかし、真実が明らかになれば、結果としてアラン・リックマン演じるオハラの行動や感情の伏線が生き、ストーリーに陰影を与え、リックマンの演技に深みを与えていることを評価するべきです。この映画は2度見て下さい。その伏線の巧みさに気が付くはず。
この映画は、フェリーニ監督の「道」、フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「奇跡の海」などと同じく、悲惨な結末を迎える映画でありながら、どこかに微かな人生への希望を感じ取れる映画。人生とは時にあまりに残酷、しかしそれでも精一杯生きる事の意味を考えさせられます。
正直、見終わったあと丸一日は打ちのめされた気分でした。あの結末でよかったのか、ほかに道はなかったのか・・・しかしそれがこの映画の意図。見終わった後、なにも考えることの無い映画なんて、つまらないと思いませんか。