All-El-Beeなるアトランティスの預言者より特殊な力を与えられたアウトキャストの2人が,ノサムリなる邪悪なエイリアンと戦うというSFタッチのコンセプトで描かれた2ndアルバム。SFタッチと言っても一昔前のような勧善懲悪ものの娯楽性の強いものではない。全編を通じて漂うのはダークでニヒルな空気。ジャジーでメロウだが陰のあるフレーズ,ベースラインやドラムを強調したグルーヴィーなトラック,感情を抑制したスムースなラップ・・・闇に蠢く魑魅魍魎に立ち向かう孤高のヒーロー,というイメージがぴったりのアルバムだ。
物悲しいピアノのフレーズをループし,うねるようなベースラインと組み合わせた,まさにクールでドープな「Two Dope Boyz(In A Cadillac)」,UFOが飛び立つような効果音などキャッチーな展開の「Atliens」,包み込むように優しく,それでいて何処となく愁いを帯びた女性コーラスが印象的な「Jazzy Belle」,クラシック調の穏やかなピアノの調べをバックに淡々と流れる鎮魂歌のような「13th Floor/Growing Old」など聴きどころは多い。特筆すべきは「Babylon」。聖歌のように厳かなスキャットをバックに,滑らかで淡々としたラップとソウルフルな女性ヴォーカルが絶妙のバランスで展開するシリアスなナンバーである。真夜中の静けさを思わせるミステリアスな「Elvators」もいい。
独創的なアイディア,アメコミまで織り込んでしまうサービス精神,そして駄曲のない楽曲水準の高さ・・・実に完成度の高いアルバムである。だが,3rdアルバム以降も次々と展開される彼らの独創性の前に,我々は本作はほんの序章に過ぎなかったことを思い知らされるのだ。