6年ぶりの新作は緻密かつ大胆なアレンジで聞かせてくれるスタンダード集です。彼女が子供の頃から聴くとはなく耳にしてきた歌、近所からいつも聞こえていた歌声、心に残った歌詞。そんなスタンダード曲を素材に、Cyndiらしい繊細なタッチのアレンジを加えながら出来上がったのが本作と言えそうです。活き活きしたリズムをバックに元気なCyndi節が新鮮な"Stay"や"Sunny side of street"もありますが、Piano、Cello、Violaなどが奏でるシンプルな音をバックに切々とした情感を聴かせる"Walk on by"、"La Vian Rose"、"Don't let me be misunderstood"あたりの表情が今回の基調となっています。ひとり自己を振り返るような、過去の情景を回顧するような心持ちで歌い込まれた印象を持ちました。作品タイトルとし、また冒頭でたっぷり歌う"At last"の意味合いも頷ける内容です。ジャケット写真が示す通り感情表現の深さと美しさを基調にした、従来のCyndiとは少し表情を変えた力作と思います。ヴォーカリストとして彼女ほどの力量があってこそ作り上げることのできた作品でしょう。