タイトルから想像すると「一目ぼれ」という単純なお話かと、甘いだけのストーリーかと、ただのインスピレーションの世界のお話かと、色々な思いやファンならではの特殊な不安感を持ちながら読み始めました。でも、嬉しいことにこの予想はあっさりと裏切られ、とても深くとても人間的な感情の奥底にあるものを、見事な洞察と表現力で読者に問いかけてくれます。
ラスト40ページは泣きながら読み、読後は例によって清涼感に包まれました。愛することは信じること、そんなことを素直に認めさせてくれる小説です。「海にいるお魚の数より多く、お月さんより高く、君を愛している」という台詞がとりわけ心に残ります。
英文はいつもながら読みやすく、親しみやすいですが、内容的には人生の苦楽をある程度味わった30代以上の方にお奨めします。