ジャズ・ロックに地中海音楽やアラブ音楽のエッセンスを叩き込んだ
斬新な音楽を引っさげて彗星のごとく登場し、
今もなお聴く者を激しく「何か」に向かって駆り立てるアレア。
これはあまりにも(プログレオタクの間でだけ)有名な、そのアレアのデビュー作。
こんなカッコいい音楽をメジロ系の連中に独占させるなんてもったいない。
ジャズが苦手な方も(私もそうです)騙されたと思って、
せめて一曲目の「7月、8月、9月(黒)」だけでもお聴き下さい。
エキゾチックでパワフルで、楽しさに目が回るでしょうから。
何しろ、体がつるような変則リズムであるにもかかわらず
コンサートでは聴衆が大合唱し、当時のイタリアでは大半の若者が
口ずさむことができたとすら言われているのです。
本作品は特にジャズ色が強いので、ジャズが苦手な方なら
「7月、8月、9月(黒)」を楽しまれた後は三作目の『クラック!』か
オリジナル・アルバムとしては五作目の『1978』が聴きやすいと思います。
アヴァンギャルドがお好きな方は『呪われた人々』か
全編これ即興演奏のライヴ盤『イヴェント'76』へどうぞ。
ただ、本作品は冒頭で平和を願う内容のアラビア語の詩を
エジプト人女性が朗読するのだけど、前回(2003年)の再発時には
これがきちんと翻訳されていたのに今回は翻訳されてないことは納得いかない。
この詩があればこそ「働けば自由になれる」(第二次世界大戦中、
ナチスがアウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所に掲げたスローガン。
もちろんドイツの敗戦まで収容されたユダヤ人の自由など実現しなかった)という
アルバム・タイトルが強烈な皮肉になるというのに。
星を一つ減らしたのはその点に対する異議申し立て。