2003年4月23日テラーク・レコードからリリース。Sonoma DSDレコーディング・システムを使用しオーバー・ダブなしに録音された彼女のデビュー・アルバム。アーマッド・ジャマルと、その友人バークリー音楽院の指導者でジャズ・ベーシストのリチャード・エヴァンスによる共同製作作品である。
まずまったくの基礎知識なしてこのアルバムを聴くと、非常にプログレッシブ・ロック的だなと思う人が多いのではないだろうか。特に最初の2曲『XYZ』・『Double Personality』の曲構成とピアノのフレージングはキース・エマーソンのピアノを連奏させる。作曲手法はかなり斬新で、バークリー音楽大学ジャズ作曲科とCWP (Contemporary Writing & Production) 科を首席で卒業というのも頷ける。
このアルバムのインナーを読んでみると、彼女はオスカー・ピーターソンを最も敬愛し、Noriko Hikidaさんというピアノ教師について開眼し、14歳でチェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共演、高校時代はロックに傾倒、ヤマハの音楽支援制度で留学奨学支援を得たのを機に、法政大学法学部を中退、20歳で渡米してバークリー音楽大学に留学・・・、そういったジャズ・クラシック・ロックをレイヤーのように持っているようだ。このアルバムを聴いているとなるほど、と思う。
デビュー・アルバムとしては色々な予感もあって及第点なのだが、残念ながらギターがへたくそでかなり気になる。このギター無しなら星一つ増えただろう。