本作は二部構成。
第一部では、クラスメイトや教師からそこに〈いないもの〉として扱われる眼帯少女
ミサキ・メイの秘密と、主人公たちが所属する三年三組にかけられたという「呪い」
の全貌が、少しずつ明らかにされていきます。
一方、第二部では、クラスで進行する〈災厄〉をどうしたら止められるのか、
そして、本来クラスに存在しないはずの〈もう一人〉とは誰なのか、といった
謎の解明が行われます。
最大の謎である〈もう一人〉の正体については、ホラー的仕掛けに大きく依存していると
はいえ、伏線によって整合性を担保した上での意外性を演出することに成功しています。
もう少し細かく言うと、単に〈もう一人〉が誰かを指摘しただけでは不十分で、その
人物の別の属性まで指摘してはじめて「正答」となる仕組みになっているのです。
ただ、本作では、前述したホラー的仕掛けに登場人物が侵食されることによって記憶
の改竄・改変が行われているため、関係者の証言を鵜呑みにすることはできません。
よって、着目すべきなのは、作中でホラー的影響力の「圏外」にいる人々の言動です。
ホラーとして、あるいはミステリとして見ると、“欠点”も目につきますが、そのふたつの
要素を巧みに融合させた、著者の新たな代表作と呼ぶにふさわしい秀作だと思います。