題材やシチュエーションは秀逸。登場人物も魅力的なひとが多く、演出や作画、そして音楽も秀逸。なのにねえ・・・
致命的なのはストーリーに全くリアルを感じないこと。いや、もちろんアニメ・映画なんだから厳密なリアリティを求める気は全くないのですが、映画(アニメも同様に)を観るってことは、その間は少なくともその作品に対して感情移入できるための「自分自身への納得」が必要だと思うし、そしてこの手の話に関しては、観る側としてそれなりの「リアルさ」が要求されると思うのだけれど、残念ながらTV版から一貫してまったくそのようなものが感じられませんでした。
自分にとってこの映画にリアルが感じられないいちばんの理由は、たぶん出てくるニートたちがあまりにもニートじゃなさ過ぎるところなのでしょうね。更に言うと安易にニートの人たちを「ツール」として都合良く使いすぎの感が否めないように思います。また、セレソンNo1の物部があまりにも紋切り型の右翼すぎて興冷めしてしまったところもマイナスですね。まあ、ほかにも多々突っ込みどころは多いのですが、結果としてこの停滞した日本についてリアルに考察させるようなストーリーにはならず、上っ面だけでドタバタ劇が繰り広げられて、いつのまにか強制終了させられた映画だったように思います。
あと、セレソン同士の心理戦みたいなのを期待しすぎて拍子抜けしてしまったのもマイナス点ですかね(でもこれは観る側の勝手な期待ということもあり、批判するのは失礼かもしれません)
・・とまあ、さんざんけなしてしまいましたが、もっとしっかりと社会的考察や人物描写をきちんと描いていれば、名作になれたように思います。
そんなこんなで自分にとっては残念すぎる作品でした。