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| 1. Amarok |
それは何故か。私が思うにこの曲は聴く度に表情が変わってくる。攻撃的、牧歌的、気だるげ、おおらか、緻密、壮大、神聖・・・。私一人でもこれだけの印象を持ったのだから、その他数限りない人数分この曲に対する感想は違っていて当然である。私も最初、この曲は正直なじみにくかった。まるごと一曲60分というのもさる事ながら、起伏に乏しいと思っていたのだ。しかし、何回も聴いていくうちに、牧歌的で穏やかなメロディーに幸福感を覚えるようになった。そして終盤のクライマックス。この部分は初めて聴いた時にも深い感動に満たされた。マルチプレイヤー・マイクオールドフィールドの力量にも圧倒されたが、それ以上に音の美しさ、曲の素晴らしさに感動する。その証拠に、聴いている最中、作曲はもちろん楽器のほとんどを彼自らが演奏している事すら忘れてしまう。そして、「AMAROK」は今もなお私の中で変化し続けている。
AMAROKでは、当時可能だったデジタル技術をとことん利用しながら、しかもあらゆるアコースティック楽器を組み合わせて全く独創的な作品を作ることに成功している。
CD一枚で一曲というのは、極めて勇気がいることだ。
作品を演奏するのも全体を構成するのも大変な作業になる。
また、全体を通して聞かせるという強い自信がなければ出来ないことでもある。
この作品は、初期のマイクの作品に馴染んでいない層、つまりデジタル機器が既に身の回りにあふれていた世代に強く薦めたい。
音楽の可能性という点であれば、これほどのものはそうは手に入らないだろう。
ひとつの流行という、特定時間内の激しいコピー競争のなかで、新しい音や音楽は急速に古びてしまうのだが、そういったものから独立している音の世界を体験できるはずである。
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