倖田來未の近作は悪くない。ただ他方で、例えば、彼女が未だに「ダイエット」しているというのはよく理解できない(ビヨンセを見よ!)。また、当サイトでも指摘されているように、そもそも、初期のR&B路線は充分に優れていたように思う。ファンとしても、どうも逡巡もある。
本作はニュー・シングル。1は映画の主題歌で、ヘンデルの曲を用いたもの。ちょっとクールな言い方をするなら、旋律というものが出つくしている21世紀において一般的になっているスタイルだ。バラードとして悪くはないが、特に、倖田來未が歌う必然性というものまでは感じられない。
今回の聴きものは2。エレクトロニクスを使ったラディカルなR&Bナンバーで、セクシュアルな内容が歌われているのだが、実に格好良い。こういうレヴェルで統一してアルバムを作ってくれたら、国際的な水準になるのではないか。
5と6ではライヴ・ヴァージョンが収められている。特に、やはりラディカルなR&Bである5が素晴らしい。スタジオ・ヴァージョンよりも印象がいい。歌も見事で、最近多い、声量もなにもない三流歌手達とは格が違うところを見せつけている。2と5があまりに格好良いので、星5つにした。この人の実力が傑出していることは疑うべくもない。