スペイン出身の7人編成ゴシックメタルバンド「Forever Slave」によるファーストアルバムです。2005年リリース。貞子風のジャケットデザインといい、救いようのないバンド名といい、オドロオドロしいアルバムタイトルといい、まさにドンぴしゃのゴシックメタルという感じですね。
さて事前のイメージを大いに膨らませてから、聴いてみると意外にもまとも(?)で暗黒調というより耽美系フィーメール系ゴシックという感じです。The Gatheringあたりがアンビエントな作風に流れる中、久々に本格的なゴシックメタルを聴いたという感じです。ただ北欧系ゴシックのような陰鬱さはここにはなく、鍵盤楽器とヴァイオリンが作り出す独特の浮遊感の中に、女性ボーカルのアンジェリカ嬢のどこかモノ悲しい歌声が絡まり、なんともたおやかで優しい雰囲気が漂います。ギターもヘヴィネス追求型というよりもメロディー志向なので、よけいに耽美で退廃的な空気感を醸し出しています。
はじめに抱いた暗黒調というイメージは見事に裏切られた形になりましたが、作品全体を覆うなんとも優しい雰囲気は決して嫌いではありません。というより、むしろホッとしたというのが正直なところ。ジャケットデザインではちょっと手が出しづらいのですが、決して中身は怖くないよという典型かも。その意味では第1印象でかなり損をしていますね。女性ボーカル入りゴシックメタルファンはぜひ聴いてみていただきたいと思います。