恥ずかしながら本書を読むまでピクセルベンダーのことを知らなかったくらいで、数学物理表現や3Dなどにはある程度強くとも、本書のように画像効果の分野には非常に疎かった者です。一応フラッシュで仕事をさせていただいてます。
中級者以上といった説明がされているように、初心者にはあまりおすすめできない書籍です。
内容はあくまで画像効果に集中しているため、AS3の基礎的な書き方などはかなり省かれています。Keith Peters氏の「ActionScript 3.0 アニメーション」のほうが大分入門者に優しく感じました。
ただし、その分画像効果に関する記載は非常に詳しく書いてあり、基礎からしっかりと学ぶことが出来、非常に表現力が上がったことを実感しています。
内容は、基本的な描写形処理からビルドインフィルター、ビットマップデータ関係(結構ページが割いてあります)、ピクセルベンダー、3D、aeon&aetherライブラリの説明と使用方法、自然現象のアニメーション、テキストアニメーション、ビデオ、サウンド関係などとなっています。
構成は「ActionScript 3.0 アニメーション」に似ていて、コード自体は統一感があり癖も少なく、とても奇麗だったと思います。
aeonはトゥイーンタイプのライブラリで、よく見かけるものですが、aetherは複雑なフィルターなどを非常に簡単に扱うことができるライブラリで、便利で現在愛用させていただいています。
ピクセルベンダーを身に付けると、自身でフィルターを作成できるようになります。あまりフラッシュ自身のパフォーマンスを下げることなくある程度複雑な画像処理が出来るので目から鱗でした。ただ、もう少しページを割いて欲しかったというのが正直な所です。(日本語のドキュメントが少ないので・・・)
自然現象のアニメーションに関しては、炎のゆらめき等のメイキングとなりますが、自然現象のアニメーションの生成方法を学ぶというよりも、「画像処理のこの機能を使えばこんな表現が出来るよ」といったような、色々と応用できそうな内容です。
3Dに関してはpapervision3Dとかを身に付けた方が実際の仕事では役に立つかもしれません。私の方からはなんとも言い難い所です。(実際の案件で3Dを使うときにはほぼpapervision3Dを使っています。)
AfterEffectsを今まで使っていた部分を、フラッシュで何とか実装してみようかと思えるくらい充実しています。wonderfulやbeautiflのグラフィカルなプログラムが身近に感じれるようになりました。
サンプルがWebからダウンロードできますが、初めて見たときにはデザイン的に少し古さを感じてあまり好きにはなれないように感じましたが、実際に書籍と共に進めたら全然気にならなかった(逆にセンスがある!と感じた箇所が多かった)のでその点は良かったです。
この分野に興味が無い方には2000円でも高いと感じられるかもしれませんが、逆にしっかりと学びたい人には1万円以上でも「買い」の書籍だと思います。
万人にはおすすめできませんが、内容自体は素晴らしかったので、星5つとさせていただきます。