名古屋を中心に活躍するジャズシンガー、junkoの、待望のデビューアルバム。
小さなからだ、キュートなルックスに似合わぬ、深い歌唱と魅力いっぱいのパフォーマンスが最高。
ジャズというフォーマットにこだわりつつ、七夕やバレンタインといったイベントを自ら企画し次々と成功させていく活動を通じて、ジャズファンのみならずもっと広いファン層を獲得しつつある、注目株です。
通常、見所あるシンガーが世に出るとき、既に名のあるミュージシャンがプロデュースするのが定石。そうすれば、地元以外でのレコ発ライブも組み易いし、セールスも期待できます。彼女にもそうした話は何度かあったそうですが、彼女の選択は違いました。
その結果がこのミニアルバムです。
有力なプロデューサーにのせられるのではなく、自身の音作りをとことん追求できる自身のバンドで世に問いました。
非常に対応力が高く、どんなバックでも驚異的な歌唱で乗りこなし私を驚かせることが少なくない彼女が、自身のバンドで練り上げたサウンドはやはり彼女の歌唱が際立ちます。録音に際し生の声の魅力が殺がれはしないかと心配しましたが、何より声の特徴を大切にしたであろう音作りで、耳触りの良い、のびやかで煌めき感のある確かな声が確り捕らえられ、彼女の息遣いすら伝わってきます。その分、絶対的な録音音圧は低めで、低音成分を厚めなまま残してあるので、再生機器には少々シビアでしょう。
オリジナル曲3曲を含む構成はよく練られたもので、何度も聴くことができる落ち着きの良い印象。
バックの演奏は三人それぞれの特徴が感じられ、彼らを知る者としては面白いけれども、更なるブラッシュアップが望まれるところもあります。そんなところから減点もすべきでしょう。しかし、気付けばこればっかり聴いている。これまで出来が良いと思って繰り返し聴いてきたジャズシンガーのアルバムと聴き比べている。だから、「I like it」では済まない。
さて、名古屋以外のジャズライブハウスの関係者各位。期待していいはずですから、JQ、呼んだってちょ!