このアルバムを聴いて「ポリの王道だなー」という印象を持つ曲も少なくなかったのだが
いつの間にかPOLYSICSの表現に安定感を受けるということがまず面白かった。
飛び道具的な音楽を奏でていたはずなのに、今や一つのジャンルとして定着しているというか。
実際、POLYSICSの影響を感じさせる後発バンドも結構出てきている(一番に思いつくのはthe telephones)。
このアルバムは今まで以上にぶち切れた、とか
今まで以上にオリジナルだ、という作品ではなく
むしろ安定してPOLYSICSの表現を見せ付けるアルバムになっている、仕上がっていると感じた。
先行シングルはアッパーでハイテンションなきわきわのポップ・ナンバーが選ばれていたが
アルバムの曲はそれとはまた感触が違う。
どっちかというとシングル路線の曲は少なく、コアな曲とポップな曲が入り混じったバラエティギフトのような楽曲群になっている。
ここへきて名刺代わり、という感じだろうか。
それと一曲一曲がコンパクトに、ミニマムに収まっている。油断してるとすぐ次の曲に突入している。
スピード感が満載の、質の良い小品が集まっているという感触だ。
正直タイトルほどのインパクトはないけれど、これはこれでキッチュで面白いかと。
ポップさを削ぎ落とした「催眠術でGO」、ハヤシの舌なめ(!)が気持ち悪さを演出する「Bero Bero」、
ひたすら不気味な「Eye Contact」など中々に聴きづらい曲が入っているのも挑戦的で面白く、
かと思えば「Cleaning」「E.L.T.C.C.T」「Wasabi」などポップな曲はよりポップに開けている振り幅の広さも聴きどころ。
特に「Cleaning」は今までには無いPOLYSICSという印象。いい意味で普通のロックっぽいというか。新鮮。
そんな彼らもデビュー10周年で遂に武道館。なんか笑える。そして嬉しい。