ソロ名義としては4作目。内ジャケにJ.M.Wardらしき人物の写真が使われているが、参加メンバーのクレジット等は一切無い。調べてみたところを総合すると、レコーディングされたのはソロ・リリース1作目の"A Manual Dexterity"とほぼ同時期の01年。オマー、ジェレミーの他にセオドアとアイキー、それからゲストのサクソフォン奏者としてSara Christina Grossという女性が参加しているらしい。収められた楽曲の概ねは"Buffalo"や"Apocalypse〜"同様、カオテイックなブレイクやクリムゾンライクなダークな劇性を孕んだjazz/funk。TMV移行期に制作されたプロトタイプな楽曲とはいえ、トータルでの主張性を除けば、本家のそれらと比べても何ら遜色は無い。
フリーキーな構築&瓦解を怒涛の勢いで展開するOmar印のギター・ワークと、それに呼応するように咲き乱れる妖艶なサクソフォン、多彩なエフェクトと実験的なアプローチで躍り出る鍵盤が次々に突出し、生々しい熱情や無機質の強靭を打ち立てていく。一見グシャリとしているが、メインの旋律に乗せて各自が刺激的なソロ・パートを取っていく展開は非常にノリやすく、予測不能性に基づく衝撃と、全体を確実に高めていく構成が非常に相変わらず高い地点で結びついている。
未だハッキリとした骨格を感じさせなかった"Frances〜"期のTMVが好きであれば、間違いなく虜にされるインプロ模様。ほとんど存在を意識させないドラミングは、本当にセオドアなのかしら?と、そこは多少気になるのだが、内容的には従前作品と同等に刺激的な良作。