「カミサマがサジを投げて 失敗作として人間は出来た」(花は生きることを迷わない)
「僕は独りで考える あの娘は誰のために泣いていたのか?」(消えたプレヤード)
「何もないなら 生きてる意味なんかないなんて言わないでよ」(ラブ・ソング)
「誰にも見えない歪んだ世界で それでも息をする理由が欲しい」(それでも血の色は鉄の味がした)
「美談は金になり 僕らは安っぽい涙を流す どうせすぐに忘れてしまうのに」(歌いたい)
強烈な世界に対する皮肉と、涙がこぼれそうになるほどの生への執着。
ランクヘッドのニュー・アルバム「AT0M」は今の彼らだからこそ生み出せた渾身の傑作である。
初期のような和の要素を感じさせるリフが存分に鳴り響く「花は生きることを迷わない」「消えたプレヤード」、
「月光少年」を彷彿とさせる煮えたぎるアンサンブルが炸裂する「闇を暴け」、
生きることに対して聴き手が圧倒される位必死で歌い、叫ぶ「スモールワールド」「呼吸」「Birthday」「それでも血の色は鉄の味がした」「トライデント」、
3rd、4th、または前作「孵化」でも垣間見せた優しさを感じさせるバラッド「ラブ・ソング」「トット」「歌いたい」。
一曲一曲がとにかくがむしゃらで、熱い。 一切の変化球は無し、ド真ん中のストレートだけをひたすらに投げ続けている、
小高芳太朗の本気と覚悟に満ちた、背水の陣で挑んだようなソングライティングとランクヘッドのバンドサウンドが胸に突き刺さるアルバム。
これほど目に見える形で全力投球なアルバムを聴いたのはいつ以来だろう?
詳しくはとにかく聴いて感じて欲しいが、11曲という曲数の中で胸が熱くならない曲は一曲もなかった。
「本当は 本当は救われたかった」(Birthday)
一人の人間としての当たり前の欲求や感情が泣き叫んで訴えかけてくる、限りなくドラマチックな傑作ロック・アルバム。
ちょっとこれはヤバいかも。