**このレビューはAQUA・ARIA全編を通した感想です。
自分はまずアニメ版のARIA The Animationからこの作品を知ったクチです。アニメではその演出の丁寧さや音楽との一体感に心うたれて一気に作品に引き込まれてしまいました。一方でそういった直接的に心に訴えかける手段のないコミック版には疑心暗鬼もあり手を出せずにいました。しかし実際に手に取って読んでみて、"マンガ"というものの読み方の根本を覆されてしまいました。
このAQUA・ARIAというシリーズの、自分の思ういいところを挙げるとすると、
1.中身がない
2.流し読みができない
の2つだと思います。(←いいところなのか?と突っ込まれそうですが。。)
まず1.ですが、言いたいことがイヤとなるほど詰まった重いマンガが多いこのご時世、このマンガは「それで?」って言われたらなんにも言えないようなこと、自分が幼い頃には考えたが、生きていく上でくだらないこととして自分の中に消し去ろうとしてきたようなことばかりです。でもそんな当たり前のことを当たり前のように復唱するだけなのに、何故か明日をちょっとだけ前向きに生きたくなる。この"中身のなさ"にはそんな生暖かさが詰まっているような気がします。
2.に関しては、自分が初めて読んだときには、アニメと同様に"流れるように"読んでしまった為、気付くことができませんでした。しかし2回目以降読む回数を重ねるごとに違った表情を見せてきます。読むペースを変えればまた違った景色が見えてきますし、1つのコマにふと立ち止まる事もできます。立ち止まり、振り返り、何回も反芻してやっと自分なりの解釈ができるわけです。
癒しの定義にもよりますが、自分はこのマンガを癒しだとは考えられません。立ち止まることにより、より現実を強く生きていけるようになる、そんなことを教えてくれます。何事も楽しまなければ人生損ですよ。