知人からの依頼でCPUクーラーを交換したもののレビューです。
いわゆる簡易水冷とかなんちゃって水冷などと言われる奴ですが、一般的な製品ではラジエーターが27mmなのに対して、これはその倍50mmあります。
実際、現物を見ても50mm厚のラジエーターは分厚いです。
銅製のクーラーユニット(CPUヘッド)やラジエーターの形状からすると、他社の同様の形の製品と同じく、物自体はAsetek製のOEM品だと思われます。
取り付けの作業自体は一般的な27mm厚のラジエーターの簡易水冷と違いはありません。ただ、マニュアル自体はやや不親切なので、実機で取り付ける前に入念にチェックをした方が無難です。自分の場合には過去にサイズのアプサラス120やコルセアのCWCH60などで取り付け経験がありましたからそれほど気にはなりませんでしたが……これが初簡易水冷だと少々面食らうかも。
一般的なケースで取り付けを行う場合、
1.ラジエーターにファンを取り付ける
2.マザーボードをケースに付ける前にクーラーユニットをCPU部に取り付ける
3.マザーボードをケースに取り付ける
4.KUHLER-H2O-920のラジエーターをケースに取り付ける
という手順になります。ケースによってはマザーボードの一番上のPCI拡張スロットと干渉します。クーラーユニット側は小型なのでマザーボード側で干渉することは少ないかと。
クーラーユニットとラジエーターを繋ぐホースはゴム製なので取り回しが楽なのは大きなメリットです。おそらくはサイズのアプサラス120などと同じ素材と思われますが、そこはさすがにより高価格帯の製品で、接続部にはアプサラスには無い脱落防止の為と思しき部品が追加されています。
今回はファンは付属品の物をそのまま使用し、ラジエーターの前後に挟んでケースから排気する形にしました。
……で、動作させて確認。なお、今回取り付けしたパソコンでは、この製品とは別にケースの前面に120mmファンが一枚付いています。
単刀直入に冷えるかといえば、CPUのリテールのクーラーよりは冷えます。
今回はPhenomIIx6 1055Tで室温27℃で、リテールクーラーではアイドル状態で38度前後あったものが、30度程度で安定します。負荷を掛けても40度前後までで、多くのゲームソフトのベンチマークでは37度くらいまででした。ただ、PCケースによってもCPU温度は多分に変わりますので、これは目安程度に。
動作音については、そこそこの温度なら、ミドルクラスのグラフィックボードを搭載していると、むしろそっちの冷却ファンの音の方が耳に付くかもしれません。
オーバークロックは今回は試しませんでしたが、この感じなら過激なことをしない限りは結構遊べるのではないかと。ただ、この機種のみならず、高TDPのCPUのオーバークロックに対しては簡易水冷自体がまだ全般的に厳しい様な印象も受けます。そういう意味でも無理は禁物でやるなら空冷以上に慎重に行うべきものでしょう。
注意点としては、簡易水冷の常ですが、ケース全体の吸排気のバランスが悪いと、PCケースの外への熱の排出がうまくできずに熱が籠もります。その為、単純に「取り付けました、冷えました」という訳にはいかず、吸気と排気のバランスを考え適宜吸気用のファンを別に付ける必要かあるのは、この製品も例外ではありません。このセッティングがうまく行ってないと、最悪の場合にはマザーボードのチップセットが熱暴走します。
取り付け作業やセッティングまで考えると少々難しく、そこさえ乗り越えればよく冷えますが、逆に自作経験の少ない人には難度が高いものかもしれません。
あとは、細かい所ですが、クーラーユニットには最初からグリスが塗られていますが、このグリスの性能はイマイチです。グリスは除去して別途好みのものを塗った方が冷えるでしょう。
なお、付属ソフトウェアによりモニタリングとコントロールが可能ですが、これについてはあまり過度な期待はしない方がいいかもしれません。
全般的なことを言えば、50mm厚ラジエーター+25mm厚ファン×2枚の計100mmの分厚さのインパクトを裏切らない製品と言えるでしょう。
とにかく、ゴツいでかい……というか、microATXのケースに取り付けるとやたら存在感があります(笑)。
値段とやや雑なマニュアルさえ気にしなくていいのなら、これを書いている2011年9月現在では一番お勧めの簡易水冷クーラーです。
※パソコンの自作をする皆様には言うまでもありませんが、オーバークロックは自己責任ですよ。