こちらの作品、第一回目だけ雑誌で読み、単行本になるのを心待ちにしていました!
と云うのも、わたしは「真夜中を駆け抜ける」シリーズがとても好きなのですが、この作品の”受け”である雨音は昇と同様、基本的に自我がしっかりしているタイプで、直感的に面白そうな作品!と思ったから。
理系には疎いので確かな事は分からないのですが、おそらく大学院の数理科学研究科、数論ゼミの先輩後輩のお話です。
”攻め(かな・・?)”の能城は天才肌かつダムオタで、身なりに関する優先度が低いタイプ。
わたしも独身時代の羽生棋士の思いきりよく寝癖が付いた頭髪には、かなり萌っっとしていたたちですので、雨音が能城さんを気になってしまう気持ちには激しく共感してしまいました。
知性がべらぼうに高いだけでも色っぽいのに、隙もあるってどんだけでしょう・・!
またストーリーはラブだけで無く、サイコサスペンス仕立てにもなっています。
物語の最後の方で、雨音の元カレの身体に付いた無数の切り傷にはゾクッとしました。依田さんの作品は細部に拘泥していて、それが作品にただならぬ深みを与えているように思います。
能城がダム湖に落ちて、水没した街を見るシーンはとても詩的。
ただ難を云うなら、雨音が告白するシーンで「あなたは素数だ」と言い、その意味が能城には通じているのですが、読んでいるこちらには何の事やら分からなかったのが切なかった・・。大事なシーンなのに〜。素数に対するこだわりが何処かで語られていて欲しかった。
あと、幽霊が登場しますがあまり意味が無かったような・・?
雨音はしたたかな奴なので、能城さんは「雨音は清らか、潔癖」と信じたまま終わりますが、ちょっと通じ合ってない感じがするので続編でいろいろバレて欲し〜い。
続編を読んでみたい作品でしたので、期待を込めて星五つ、です!