大ヒットしたALWAYS三丁目の夕日の続編。昭和30年代の東京、3丁目に住む主人公の茶川竜之介が、新しい家族(淳之介、ヒロミ)との絆を求めて一念発起、芥川賞を目指す。向かいの鈴木オートでは失業した親戚の娘をあずかることに。周囲に見守られる中、茶川が芥川賞をとれればすべてうまくいくはずが。
通常、ヒット作の続編はうまくいかないことが多い。特に前作は一話完結の予定で作成されていたはず。しかし、本作の脚本のよさによって前作が引き立てられ、うまく二話完結に作り替えることができていると思う。それぞれのキャラクターは健在で、前作のファンであればより楽しめるが、本作のみをみても十分面白い。エピソードどうしが関連しあい、笑いと涙で2時間半近い長さも全く気にならなかった。戦後復興がようやく終わり高度成長期にさしかかった頃、決して楽ではなかった時代に、人がどう生きて成長してきたが伝わってくるし、現代の裕福な時代が忘れかかっていたものを改めて呼び覚まし、生きるとは何かが伝わる作品。ひとは誰もが辛さや悲しみ、弱さをもって生きている。日々の出来事に一喜一憂しながらも、笑顔を忘れずに前向きに生きていこうというメッセージがよく伝わってくる。また、それを支えるのが周囲の人とのつながりであることも忘れてはならない。だらしのない主人公を周囲が励ましている姿に、つい自分も同じ気持ちになって応援したくなってくる不思議な作品であった。
狸を呼ぶ宅間医師や、戦死したと思っていた友がメッセージを遺して去るエピソードなどは、前作同様に原作漫画に敬意を示し、その作風が十分に意識されている証だ。このように多くのこだわりが余すところなく込められているし、エピソードそのものも心を打つ。
前作で曖昧にされた部分にも今回はきっちり決着をつけたようなすっきりした終幕で、おそらくもう続きはない(というより必要ない)。多くの日本人に勧めたい作品で、星5つ。