BS-iで放映されたTVアニメ「AIR」の特別編。
TVシリーズ放映時は、1クールという尺の都合上「SUMMER編」と呼ばれる千年前のエピソードに2話しか充当できなかったものを、オミットされたコミカルなシーンを中心に、新たに前・後編で映像化したものです。
このソフトを買う人は、既に原作ゲームやTV版を体験しているファンの方が中心だと思うので、詳しいストーリーや人物紹介は省きますね。
この「AIR in SUMMER」は、極限すれば「神奈に萌えるためのアニメ」と言ってしまっても良いと思います。
作画や美術の素晴らしさ、ツボを押さえた脚本・演出、芸達者な声優陣、すべてのベクトルが「いかに神奈を可愛く描くか」に向いていると見ました。
その目論みは見事に成功しており、もう見ていると脳から変な快感物質がドバドバと出て、「ああもう!俺もあのTV画面の中に入って神奈の頭をナデナデしたい!」と叫び出したくなります。
その理由として、まず神奈というキャラクターの秀逸性があります。
高貴な存在として育てられたが故のプライドと、女帝のような偉そうな口調。その割りに世間知らずだったり、すぐに感情的になる子供っぽさ。この両者のギャップがもたらす萌えの強烈さは、近頃はやりの「ツンデレ」を10倍増しにしたような破壊力があります。
また、そういう性格描写を可能にしている、西村ちなみの演技も見逃せません。「主人の着替えを覗くとは不忠の極みぞ!」などという古風な言い回しを、怒りと恥じらいの感情をおりまぜながら、なおかつ子供っぽく演じるというのは並大抵の力量ではありません。
総評。アニメとしてのクオリティや、萌えについては完璧。
ストーリーは、ラストがやや物足りなく思えるのですが、これはつまり、本作はあくまでTV版8話と9話の間のエピソードということなのでしょう。