ADHDをもつ人が、前向きに生き、望みどおりの暮らしを探し当てることを目指した本。
人が世の中で役割を果たすには、アイデンティティが必要で、
ADHDであるがゆえの生き辛さにうちのめされて自分の人生を無意味だと感じると
「障害者」「被害者」というアイデンティティにしがみついてしまいがちだという。
著者はADHDを「どう捉えるか」が、それによって人生が左右されるほど重要だと気づき、
「障害」「病」でないADHD観を提供するために
「ハンター・ファーマー理論」を展開したものらしい。
自らの脳の特性に合理的な説明を与えられれば、打ちひしがれず先に進みやすくなるだろうと。
確かに説得力があり、わたしはハンター脳なんだ、という考え方には救われる。
本書は、「成功とは何か」というところから読者に問いかける。
自分の核心をなす感覚や目的、真のゴールは何だろうかと。
現状を振り返り目的を考えるための質問が助けになった。
脳が十分に覚醒していないという特性から、ADHDは刺激を求める脳であり、
目の前の挑戦や冒険、競争に押し流されやすいという。
後半は、目の前の刺激に押し流されずに目標を達成していくための細かなハウツーが満載。
事例がいっぱいで、実務のちょっとした工夫から夫婦生活までどれも具体的で役立ちそう。
登場する道具がちょっと古いのと、「アメリカのことだからなぁ」という気分になるのは、
まぁ どんまい で。
日本で暮らしていると感じる、日常生活の中で「KYらしいがどうしよう」
というような生きづらさには触れていないところがアメリカ的だと思った。
とけこめないことへの自責と孤独感など情緒的なつらさは、
アメリカではそんなに感じなくていいのだろうか、と思った。
そこのところがちょっと物足りない、ということで★1個減で4つ。