リハビリテーション関係の書籍は、「進んだ」海外での実践を紹介する性質があり、地方に住む実践者にとっては絵空事になりがちだが、著者はプログラムの内容をしっかりと咀嚼しどのように日本の地域の中で取り組むか、その指針を打ち出しているところに好感を持てる。また、「小説仕立てのACTスタッフの支援例」などを盛り込むなど「よい意味」での遊び心を感じる。当事者が記す本を除き、昨今の精神障害者の社会復帰関係の著作はPSWの受験対策に過ぎないものが多く、本当に利用者のためになるのか疑問が残るが、本書はタイトルとされている単なる入門書ではなく読者の理解力・行動力により身近な精神障害者一人ひとりへの有益な支援の糧となるだろう。