名探偵ポアロというと、はげ頭で、小太りで…という見た目が思い浮かびますが、
こちらのポアロは違います!
イケメンと思われる声、ロマンス・グレー!?まさにジャケットのイラストのイメージ通りの声です。
TVシリーズのデビッド・スーシェの声を吹き替えされている熊倉一雄さんの声とはまったく違ったポアロの声。
これもまたポアロの声だと思いました。
ドラマCDの出来を左右するのは、まずは脚本の出来がどうか、だと思います。
私が原作を文庫本で読んだのは今から35年ほど前で、以後読み返してはいませんが、
アルファベット順に行われる連続殺人、それぞれの事件の関係者、一見脈絡もないようでいて実は重要な人物、
決して短くはない原作ですが、その内容をうまくまとめていると思いました。
そして声優さんたち、皆さんさすがです。安心して聴くことができました。
ポアロに振り回される(笑)、ヘイスティングズ役の寺島さんの好演、カスト役の子安さんの怪演は、この作品におけるキモだと思います。
ところで、ポアロはイギリスにおけるマイノリティな立場で、
イギリス流に戸惑いを覚え、時にはちぐはぐな行動や言動をしてしまうことのある、そんな人物です。
こうしたイギリス人ではない、外国人であるポアロの、名探偵としての名声が高まれば高まるほど、やっかみや中傷に曝されることにもなります。
自分がイギリス社会において歓迎されざる立場、マイノリティであることをポアロは甘受しています。
こうした決して愉快ではないエピソード、TVシリーズでもよく描かれているところですが、このCDでもきちんと押さえられています。
イギリス人であるところの、シャーロック・ホームズやミス・マープルとは違った立場の名探偵エルキュール・ポアロ。
森川さん演じるところのポアロの声ですが、その声はただのイケメンの声ではなく、人生の悲哀をも帯びた、酸いも甘いも知り尽くした、そんな成熟したイケメンの声です。
普段は抑制的なのに、時として荒げることもあり、そして少しお茶目(笑)。
TVシリーズとはまた違った魅力を持ったポアロ、こんなポアロもありです!!