昔からエストニア、ラトヴィア、リトアニアというバルト三国には関心を持ち、それらの国々について書かれた書籍はできるだけ読んできましたが、記述が政治史や歴史に偏り、またそれらが専門書のため、もう一つ全体像をつかみきれませんでした。
そんなおり、地球の歩き方に本書がでているのを知りました。灯台もと暗しでした。ガイドブックには、その国の観光名所だけでなく、成り立ちや言語、民族などにも触れていますし、知られざる一面もコラムで紹介しています。当然将来訪れたい地域ですから、関心を持って読みとおしました。
バルト三国の歌と踊りの祭典については、22ページに記してあります。ユネスコの無形遺産にも登録された音楽祭で、4年や5年ごとに行われる感動的なイベントでこれを是非体験してみたいというのがこの国々に関心をもった最大の思いです。文化、社会事象、宗教、芸術、そして言語で比べれば、それぞれの国々は差異があり、複層的で多面的なバルト三国への理解が深まったように思います。
勿論、ガイドブックですから、中世が息づく町 エストニアのタリン、都会的なバルトの首都 ラトヴィアのリーガ、内陸に開かれたのどかな首都 リトアニアのヴィリニュスの建造物や歴史遺産は豊富な写真と共に掲載してあり、眺めているだけで行きたくなります。
タリンの中世芸術の素晴らしさにも触れており、現地を訪れる際の観光のテーマになるでしょう。ラトヴィアのリーガは三国のなかでは最大の都市ですが、それでも人口は70万人ですから、さほどではありません。
リーガから1時間半で着くバウスカのルンダーレ宮殿の見事な装飾は流石にバルトのヴェルサイユと言われるだけのことはあります。
1940年当時、リトアニアの在カウナス日本領事館領事代理だった杉原千畝氏が自分の身の危険もかえりみず、ポーランドからやってきた6000人ものユダヤ難民の国外脱出を助けるため、ビザを発給した「日本のシンドラー」についても詳しく記しています。現地に杉浦記念館があるわけで、212ページの十字架の丘と併せて是非訪れたいところでした。