ブラジルが生んだ天才=カエターノ・ヴェローゾの最新作。
今回は長く聴き親しまれてきたアメリカン・スタンダーズの数々を「おっ」と驚かされるアレンジで聴かせてくれる。
先ず、所謂「売れ線」だけを狙った単なるスタンダード・ベスト的な選曲で無いところが如何にもカエターノらしい。
ジャズ・スタンダードをはじめ往年の名曲やミュージカル曲、はたまた近年のロック・ティユーンに至るまでその守備範囲は驚異的に広い。
おそらく彼がこれまで様々な意味で意識し、更に影響を受けた音楽大国アメリカの音楽達に違いない。一曲一曲への深い愛情が感じられる。
それらに冒頭で述べた通りに様々なアプローチからアレンジを加え、相変わらずの魅力的な声と達観した歌い方で満喫させてくれる。
個人的には「2.ソー・イン・ラヴ」「9.煙が目にしみる」「10.ダイアナ」「12.カム・アズ・ユー・アー」「16.さらばジャマイカ」「20.サムシング・グッド」「22.ブルー・スカイ」辺りが彼の魅力満載で素晴らしい出来だと思う。
意表を突いたアレンジもまさに彼の独壇場だ。
また独特なラテン訛りの英語も実に魅力的。
私がこよなく愛し、カエターノ自身も尊敬してやまない恩師ジョアン・ジルベルトをある意味で超越した独自の音楽世界が次々と展開されている。
カエターノ・ヴェローゾの多才の極みを改めて思い知らされた一枚だ。