80年発表の9作目。ジャケットがチープすぎて見過ごされがちな作品だが、実はニック・ロウがプロデュースした作品であり、彼の手による3.と彼とグループの共作となる9.を含んだ話題作である。
1.は硬質のベースとエコーの深いスネアが印象的な曲。明るくシャープな音像はいわゆる80年代サウンドだが、そのおかげもあってかなりポップに聞こえる。ニック・ロウの1stに近い雰囲気だ。2.はファンクっぽいリフを導入しているものの全くソレとは聞こえないタテノリの演奏が彼ららしい。やはりスネアが華やかだ。3.はデイヴ・エドモンズが歌いそうなハードなハプ・ロック・ナンバー。ニックらしさが滲み出た名曲だ。中盤のギター・ソロは最高!!6.はカヴァーだが、彼らには珍しいアコースティック・ギターのナンバー。カントリー・ブルースをパブ・ロック仕立てにしたような佳曲だ。
筋が通った演奏をするグループだけにオケの印象が変わるとそれだけでも面白い。本作はそういったことが良く分かる作品である。正直なところグループには全く変化はないが、いわゆる80年代風のややエコーが深めの明るいサウンドに仕上げられた本作はそれだけで凄い変化が感じられる。特徴はスネアの深いエコーと固めのベースのトーンだが、雰囲気はニック・ロウの1stそのまま。楽曲は当然こちらの方が渋いが、聞けばその類似性は良く分かるだろう。