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誘拐というテーマは、どうやら“本格”志向の人には敬遠されがちのようです。かくいう僕も以前はその傾向があったのですが、まあ兎に角、ミステリ好きならば是非読んで頂きたいのです。ハイクオリティなミステリ・スピリットが横溢してますよ。ジャンルとか関係ないです。言わずもがな、岡嶋二人一流のサスペンスフルな筆の運びにぐいぐい引っ張られてしまう事も保証できます。
また、当時のハイテク技術を駆使したストーリー展開も魅力たっぷりですが、そうした先端知識というものは、時代と共に色褪せてしまいがちなのが宿命でもある中、この作品に関してはその心配は無用です。古臭さは感じられません。知識に依存しているのではなく、何よりも先ず物語の骨格となるプロットが秀逸な故でしょう。寧ろ、当時はそういう状況だったのか、などと純粋に好奇心を刺激されたりもしました。云ってみれば、例えば現在のハイテク技術に置き換えても、物語の輝きは何ら曇る事はない、とも言えるでしょうか。
結末のつけ方も切れ味鋭いですよ。
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