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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
すばらしいスピード感と乗り心地の良さ!,
By fankybassman (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 99%の誘拐 (講談社文庫) (文庫)
このお話は冒頭がすごいです!事件が「ぱっ」っと始まったと思ったら、ビュンビュンと物語が“通過”していきます。 否応のない(そして決して不快でない)この引き込み方は本当に見事!! ついついページをめくってしまうという現象に後から気づきます。高級カーに乗せられて、景色が見えない道路をつれまわされているような感覚ですかね。 時は昭和40年代。 ある中小企業の社長の息子が誘拐されたところから事件が始まります。 誘拐犯は5000万円を金塊に変えることを指定。 その5000万という金額は、社長が会社再生をかけて用意した金額と同額でした。 疑問を持ちつつ社長は息子のために奔走。 あざ笑うような犯人の指示は数度にわたり、ついに金塊は海の底に。 子供は無事に帰ってきますが、その際の社長の台詞 「これでいいんだな? ○○」 はゾクゾクきます! さて、時代は下って昭和63年。 またしても誘拐事件がおきることになるのです。 関係者はすべて20年前の誘拐にかかわった人たち。 さらに身代金の搬送人に指定されたのは、20年前に誘拐された社長の息子! 事件は20年前をトレースするかのように続きます。 物語の最後は意外とあっさり。 「え?これでおしまい?」と思うようなエピローグです。 ここでタイトルの『99%の…』が思い浮かび、「ああ」と思う人と「ええぇ?」と思う人に分かれるかもしれません。 とってスマートで、軽くて切れ味のよい作品でした。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
引き込まれる,
By
レビュー対象商品: 99%の誘拐 (講談社文庫) (文庫)
12年のときを隔てた2つの誘拐事件。その犯人と被害者を巧みに配置して物語を構成している。洗練された作品です。誘拐事件は、犯人にとって、身代金の受け渡しの際に姿をあらわさざるを得ないという難関がある。本書では、犯人の精緻な計画と、刻々と移っていく状況に応じた警察と犯人の駆け引きがスリリングに展開し、引き込まれます。 コンピュータ環境が、この作品が書かれた当時とは相当に変わっていますが、その点はあまり気になりません。また、「こんなに精緻な計画が成り立つかなあ?」という感じは多少しますが、作者の上手な話の展開によって、不自然さを感じさせません。 岡嶋二人さんらしい、「ほんとうに上手だなあ」と感じさせる作品であり、400ページを一気に読ませる魅力的なミステリーです。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
古くない,
By radio5 (東北) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 99%の誘拐 (徳間文庫) (文庫)
誘拐ものは岡嶋二人の得意とする所ですが、これはその中でも最高傑作との呼び声も高い代表作です。また、俗に「後期3部作」とも称される作品群(他は『そして扉が閉ざされた』『クラインの壺』)の一つでもあります。誘拐というテーマは、どうやら“本格”志向の人には敬遠されがちのようです。かくいう僕も以前はその傾向があったのですが、まあ兎に角、ミステリ好きならば是非読んで頂きたいのです。ハイクオリティなミステリ・スピリットが横溢してますよ。ジャンルとか関係ないです。言わずもがな、岡嶋二人一流のサスペンスフルな筆の運びにぐいぐい引っ張られてしまう事も保証できます。 また、当時のハイテク技術を駆使したストーリー展開も魅力たっぷりですが、そうした先端知識というものは、時代と共に色褪せてしまいがちなのが宿命でもある中、この作品に関してはその心配は無用です。古臭さは感じられません。知識に依存しているのではなく、何よりも先ず物語の骨格となるプロットが秀逸な故でしょう。寧ろ、当時はそういう状況だったのか、などと純粋に好奇心を刺激されたりもしました。云ってみれば、例えば現在のハイテク技術に置き換えても、物語の輝きは何ら曇る事はない、とも言えるでしょうか。
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