七尾旅人はとても繊細な人だ。
9.11に対する彼なりの答えとしてこんな作品を作らなければならなかった彼に文句を言うつもりは全く無い。
「お疲れさま。溜まってたもの出し切れたようでよかったよ」と言いたいぐらいだ。
悪いのは彼じゃなく、周りの人間だ。
「これは音楽が商品であることに抵抗する音楽だ。云々」と拡大解釈して絶賛する真っ赤な評論家。
「これはこれでいいんじゃないか」と盲目に作品を受け止める優しいファン。
彼らは現代音楽に群がるスノッブ達のようであり、子供を甘やかせる母親のようでもある。
ダメなものはダメだとはっきり言うべきだ。
この作品を認めるということは彼のこれまでの本っ当に素晴らしい作品たちを否定するということだ。
それほど、この『911ファンタジア』はひどい。
ラジオドラマのようなアプローチをするならもっとストーリーを練るべきだし、
これまで以上にもっと音楽を作り込まなければならないはずだ。
メロディがないから批判しているのではない。言葉、音楽が、あまりにも稚拙なのだ。
一応書いておくが、僕は彼の作ってきた音楽が大好きだ。
好きだからこそ、正直に書かせてもらいました。
初心者は是非『雨に撃たえば』『へブンリィ』『ひきがたりものがたり』辺りを聴いてみてください。
*追記*『ビリオン・ヴォイシズ』、素晴らしかったです。