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5つ星のうち 4.0
CDブック用のレビューです。,
By おそらくレイ・モンクの伝記から多く引きつつ、著者自身の含蓄のある体験談なんかも披露されている。ウィーンにあるウィトゲンシュタインハウスはウィトゲンシュタインが細部に拘り抜いて設計したことで有名だが、階段を登る女性のスカートの中味が外から丸見えになる作りになってしまっているそうな。部分は良く見えても外部からの全体像は見えなかった訳だ、ウィトゲンシュタインには。そして「女性が住む場合」といった単純な想定も出来なかったと。そして教師時代には覚えが悪いと生徒をぶったたく先生でもあった。ぶったたいて他人の頭脳が改善するもんなのか、彼にはそれを考える頭脳や想像力がなかった。 ウィトゲンシュタインには「他者」なるものの実感が相当に困難だったのだろうなあ、と改めて。他者こそが最大の謎だった。他者とはそもそも何なのか。如何にコミュニケーションが可能なのか。そもそもコミュニケーションとは何なのか、そもそも言語とは何なのかetc。人類学的深奥に迫る疑問だが、あくまで人間・ウィトゲンシュタインに限定して見れば、結構分かりやすい発達障害者(アスペルガー)ぶりにややウンザリもする。ナシム・ニコラス・タレブが、「ウィトゲンシュタイン?『言語が問題』?そんなもの、大学の哲学科以外の世界では全く『問題』なんかじゃない」と言い放っていたのを思い出してしまった。まあ、ウィトゲンシュタインは誰かの役に立ちたくて哲学をやった訳じゃないだろうが。
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5つ星のうち 2.0
「心理学的物語」の面白さと限界,
By
レビュー対象商品: 90分でわかるヴィトゲンシュタイン (単行本)
著名な哲学者の生涯と思想を紹介する同シリーズの4冊目。このシリーズの本を読むのはこれで5冊目。ようやく、このシリーズに読み物としての抜群の面白さをもたらしているものが何であるのか、おぼろげに見えてきた。 著者はときどきある特別の意味において「心理学」という言葉を使う。大抵の場合それは「フロイト流の精神分析的解釈」のことだ。例えば、幼い頃に母親を亡くし乳母に育てられたとか、厳格な家父長的な父親が家庭を支配していたとか、そういった人生の初期における経験がその後の人生に決定的な影響を及ぼした、とする「心理学者」による精神分析的解釈について一言触れるようなときだ。 著者はこのような「心理学」に対して冷笑的な態度をとっているように見える。ところが、「哲学者の生涯からその思想の特色を理解する」という本シリーズの趣旨そのものが、著者自身の記述にもそのような「心理学」的な色彩を与えているように思う。本シリーズの面白さは、皮肉にも、そのような「心理学的物語」を付け加えることによって生まれている側面がある。 これは本シリーズのもつ1つの限界ではないか、とも思う。「哲学者の生涯からその思想を理解する」とき、「心理学」的な物語の紡ぎ方以外にも、社会学的・文化史的・歴史学的といった様々な書き方が可能だろうと思うのだ。私がこのシリーズを個々の本としてはそれほど評価していなくても「通して読むと面白い」と感じているのは、ヨーロッパの社会・文化・歴史の流れ、というものが何となく見えてくるように思うからだ。おそらく伝記的な情報が最も得られにくいプラトンについて書かれた第1作が私にとって1番面白かったのは、「心理学」的に書きようがなかったせいではないかと思う。
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5つ星のうち 3.0
90分でわかるかも…,
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レビュー対象商品: 90分でわかるヴィトゲンシュタイン (単行本)
「90分でわかる」というタイトルは、本当でもあり偽りでもある。哲学者について何かを書くとき、思想の側面と人物の側面の2つの どちらかについて書くか、もしくはその両者の関係性を指摘するように 書くと思う。この3つ書き方のうち、本書は主に人物の側面に強く光を 当てている。よって思想自体にはそれほど深く切り込んでいないが、 どういう人物かを大雑把に知るには「90分でわかる」。あくまで、 人物を描くために思想を引用する、というスタイルを取っている。 このスタイルで内容が面白いか面白くないかの鍵を握るのは、人物 よって、数ある本の中の1冊としては星3つだが、同じシリーズの中
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