このアルバム(レコード)を購入したのは高校3年生の時でした。
サントリーのCMに陽水さんが出演し、バックに流れていたのが『いっそセレナーデ』。
ピンクのシャツと黒いパンツ姿の陽水さんが オン・ザ・ロック(多分)を飲むそのCMは、
まだまだお子ちゃまだった私には、遠い手の届かない“大人の世界”に思えました。
いつか自分も仲間入り出来るであろう、“素敵な大人の世界”。
とても憧れました。
アルバムのジャケット写真も素敵です。
白いタキシード姿の陽水さんと、こぼれそうなほどのカラー。
どこか退廃的で、お洒落で、違う世界にしか感じられないジャケット写真。
このジャケットだけで、もう“いい買い物したなぁ”と感じました。
一番好きで、一番おすすめなのは、やはり『いっそセレナーデ』です。
高木澪さんの歌った『ダンスはうまく踊れない』、中森明菜さんが歌った『飾りじゃないのよ涙は』、
安全地帯が歌った『恋の予感』、もちろん彼女たちの歌い、創り上げた世界もそれぞれに素敵でした。
でも、陽水さんが歌うと…あの硬質で揺らがない独特の声だと、また違う味わいがあり これまたとても魅力的です。
私は年齢的には十分に大人になりました。
でも、陽水さんの魅せてくれたこのアルバムの“大人の世界”は、私の生きている世界とは別の、
どこか手の届かない遠いところに今も存在しているようです。
20年以上月日が経ち、レコードではなくCDを手元に持っていますが、
未だに憧れを感じてしまう“ほんとうの大人のつぶやき”が聴こえるようです。
私の中では、このアルバムは全く色褪せない、ずっと輝きを放ち続ける、そんな存在です。