生きた人間の見当たらない荒廃した世界で目覚めた心を持つ人形。
自らが何なのか分からないまま、強力な敵や同じような姿の
仲間たちに出会う。
質感のあるCGと気味の良い演出で楽しめる映像になっている。
主人公の行動は軽率とも取れるが積極的で謎に満ちた世界を暴いていく。
人形仲間のリーダーは安全第一、やや功利的で自らを頂点とした
コミュニティの利益保持を何より優先しているため、主人公とは
対立しがちとなる。
リーダーの言い分を守っていれば仲間たちが犠牲になることも
なかったかも知れないが、何者かに何らかの目的を持って作出された
人形たちが自らのルーツを明らかにしたいと強く欲するのも
やむないことだと思う。
現状がジリ貧であることは明らかで、恐怖に怯えながら日々を
過ごすより危険や謎に立ち向かおうとした主人公、5、7の
意志は尊いのではないか。
物語が中盤に差し掛かるにつれ、皆が仲間を思い行動する様が見られる。
ラストを見終えて、ボス敵である殺戮マシーンは9体の人形の心を
吸い取ることで殺戮マシーンでなくなるのではないかと考えがよぎった。
何体かの魂を吸い取っても攻撃性は変わらなかったこと、
わざわざ9体の人形を経由させずとも反乱した時点で直接博士の魂を
入れることができそうなことから外している気もするが、あれこれ
説明されない背景を考えてみるのも楽しい。
もし上記推測が当たっているなら、主人公たちは王墓を破壊した
ナウシカのように業を背負いつつ力強く生きようとする人間の姿を
見せてくれたんだなと。
犠牲になった仲間たちが最終的には主人公に納得してくれたからこその
ハッピーエンドではあるけど。