近藤誠医師が、癌もどき、癌検診の無効性、オペよりも放射線で患者リスクを減らした効果的な治療を、と『患者よ、がんと闘うな』で業界に反論したのが96年。
あれから14年が経過し、大筋で近藤氏の論の正しさを証明するかのような本が、いくつか出版されている。
本書もその流れを汲むと言えよう。
近藤氏自身慶応の放射線医であり、「3大療法中、放射線は良い」と謳い、そこに当時から私は疑問を持っていたのだが、今では放射線もノバリスのようにより侵襲の少なく効果的な形に進化している。
本書は、3大療法を完全に否定はしないが、それだけに重きを置かず、前向きな考え方・ストレスのない生活、酵素・ビタミン・ミネラル・発酵食品などを含んだ食生活、自律神経を調整し血行も良くする運動の自己免疫力を上げる3つのセルフ療法を主体に、癌が出来た部分だけではなく、全体を立て直そうとする。
なんでもかんでも詰め込みすぎで、自身の主催するe-クリニックからの調査グラフで治療法を匿名にしたり、分母が示されておらず、エビデンスとしては使えないといった不具合もあるが、読者もこれらを健康又は未病の段階で取り入れれば、発病は遠ざかるだろう。
名古屋前立腺センター温熱・免疫療法研究所所長の上田公介医師は、本書でも紹介されているハイパーサーミアと抗癌剤を併用する際、「バイアルやアンプルを本単位で使うのではなく、数%のみ使って副作用の少ない治療効果をあげているが、大きな病院ではそんな少量の使い方はやってくれんでしょうね。」と講演で述べているが、本書巻末のおすすめ医療機関ではどうなのだろうか。
他の2種については低侵襲の方法も触れられているが、抗がん剤の少量使用については書かれていなかったので、その点も気になった。