本書は1997年に刊行された同書を文庫版として再刊行したものです。エニアグラムとは「人間には九種類の本質があり、すべての人間は、そのうちの一つをもって生まれてくる(P. 30)」という考え方ですが、分類よりもその人間の行動原理となるエネルギーをバランスのよい状態にさせることに目的を置いている点が他の性格分類とは大きく異なります。人は好調・不調によって自分が本来有しているタイプと関連する特定の他タイプの特徴が現れるので、その変化に上手く対応することが大切になるからです。この点を把握するだけでも大きな効用が期待できます。
エニアグラムが規定している9つのタイプとは1完全でありたい人、2人の助けになりたい人、3成功を追い求める人、4特別な存在であろうとする人、5知識を得て観察する人、6安全を求め慎重に行動する人、7楽しさを求め計画する人、8強さを求め自己を主張する人、9調和と平和を願う人、です。自分が当てはまるタイプの候補は「あなたのタイプを想定する二〇の質問(P. 40)」によって挙げることができます。しかし、絞り込むことはできても1つに特定できないことがあります。私の場合、97年に取り組んだ際は1と3のどちらか分かりませんでしたが、今回、再度取り組んだところ明確に1が候補となりました。巻末にあるワークショップに参加するという手もありますが、時間を置いてから読み直すこともタイプの特定化には効果的かもしれません。
全てのタイプについて読むことは煩雑なので、当初は自分のタイプを特定化し、その行動を司る衝動とバランスさせる方向性、好調・不調時に近づくタイプを確認すれば十分だと思います。他のタイプは一度に頭に入れようとせずに付き合いの深い人に対応させながら断続的に読み進めるといいのではないでしょうか。文庫本になったのを機会に手元に置かれることをお勧めします。