~Payne Carrollの"Just One~~~~ Look"に乗せその映画は始まる。これでもかというくらいに青春映画のcodeを執拗に反復させながら、時々ドキリとするテーマ(同性愛、近親相姦)を挿入させる。が、それすらも古さに苦笑してしまう。例えばジョギング中に犬の散歩をしている少女と出会うシチュエーションは古今東西数百の物語で用いられている「出会いのcode」だし(市川たくじ著『VOICE』な~~ど)、男女グループで海へ行っちゃったり夜のグランドに寝転がって星なんて眺めちゃったり、「きっとあなたのスタートラインが私のゴールラインだったの」なんてうまいこと言ってる気になってみたり。登場人物のキャラ設定、家庭環境なんてドラえもんもびっくりの分かりやすさ。男の子は一直線だし女の子は謎めいている。つまりはcodeの集積でしかないし。組み~~合わせの問題なのだ。この映画は。ただその分かりやすさが、簡単すぎるほどの展開が、抑揚のない映像が、この映画を成り立たせている事は間違いない。果たしてストーリーなどさらさらどうでもいいし、重要なのはシーンなのだろう。簡単にセックスしたり兄妹でキスしたりシャワー室で先輩に抱かれたり、情けない先輩が色を添えたり(ピンポンにもこん~~な先輩キャラいたな)、そんな記憶は自分にあるわけないのになぜだか蘇る高校時代。もっとださくて情けなくて主人公にすらなれるわけもない自分の記憶が、トラックを走る選手の息づかいと共に蘇るのだ。また単なる陳腐な映画に堕ちかけているのを、中沢(野村祐人)のサラリと映画に溶け込んでいる演技が救っていることも書いておかねばならない。ど~~こへ行くのか行きたいのか、それは誰にも分からないが、グルグルとトラックを走り回り続ける秀作青春映画。~