80年SF代傑作選=サイバーパンクものとの先入観で、本書を選択するとはずれてしまう。ギブスン以外で、サイバーパンクの匂いを感じる作品はあるもののバリエーションは広い。掲載されている作家陣から、そんなに期待していなかった分、予想外によかった。
面白かったのは、ジャック・ダン「ブラインド・シェミイ」と、ルーシャス・シェパード「竜のグリオールに絵を描いた男」(次点は、ポール・ディ=フィリポ「スキンツイスター」)。エレン・ダトロウの「回想のサイバーパンク」というエッセイが掲載されている。
■ブラインド・シェミイ
フランスの公認カジノ・ベルクールへ赴いたファイファーとジョーン。そこでは、人間の精神を結合したカップルが、自己の臓器を賭けてギャンブルに興じていた。難色を示すジョーンを誘い、ファイファーは勝負を開始する ・・・ ハードウェアの力でサイコダイヴするあたり、これは、サイバーパンクもの(ですね)
■竜のグリオールに絵を描いた男
わずかな確率で隔てられた異世界。カーポネイルス・ヴァレイは、何世紀にもわたり成長した六千フィートの竜グリオールに統治されていた。1853年春、メリック・キャタネイはグリオールに絵を描くことで竜を死に至らしめることを進言する ・・・ パラレルワールド+ファンタジーということろですか。
上巻で掲載されている、その他の作家陣は以下のとおり。2010年の現時点でも最新作が翻訳されている作家は以外に少ないんだよなぁ。
ウィリアム・ギブスン/キム・スタンリー・ロビンスン/コニー・ウィリス/ロジャー・ゼラズニイ/ハワード・ウォルドロップ/アレン・M・スティール/ジョージ・アレック・エフィンジャー