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最初はのほほんとした昔語り風であり、当時のタレントのバランス裏事情など、まるで安物の芸能雑誌記事のような内容であるが、第5章あたりから内容が鬼気迫ってくる。タイトルにも「遺跡・脱退・新加入」「交通事故・手術・火事・停電」など、往年のドリフを襲う大事件のキーワードそのものである。
いかりや長介が「ドリフコント」の母であるならば、父は間違いなくこの人ではないだろうか・・・と思うに値する、番組に対する執念と愛情。それは父的な愛情であり、時には厳しく、時には泥をかぶり、時には己の進退をかけて番組を守ることに腐心する。そのためには当のドリフターズすらも相手に回して戦わなければならないという皮肉は、あの番組が決して、天才的な才能を持つタレントにおんぶにだっこの物ではなかったと分かる。
常識破りの見識を貫いて、「全員集合」を化け物番組へと導いた、仕掛け人の労苦は、各タレント側の自叙伝内の「全員集合」回顧とは微妙に食い違っていて面白い。それは、サラリーマンとして立場の狭間にたたされた人間の視点と、己の全てを賭けてタレントとしての道に賭け、見事栄光を掴んだ人間のそれぞれの違いなのだろうか。
ドリフファンの一人として、この本を読んで本当に良かったと思う。
読後、さらにも増してドリフターズと8時だョ!全員集合が大好きになった。
ようやく発売されたドリフDVDのお供として、強くお勧めしたい。
ここには私がリアルタイムで経験した、荒井注の引退、志村の登場、メンバーの一時休演、ボヤ騒ぎ、停電騒ぎ、そしてキャンディーズがこの番組から育ったことも、みんな書いてある。一時期クレージーの番組に替わった経緯も(ちっとも面白くなかった)、最後の1年はめっきりパワーが落ちていたことの不思議も、この本を読んで納得した。本当に、なつかしい1冊。
考えてみればとてつもないゲスト陣が出演していた。
ドリフターズに乗せられて、各界の一流どころが
披露するおバカなパフォーマンスには観ているこちらが目を疑い、
戸惑い、大笑いしたものだ。どのページを読んでもそのシーンが
脳裏に浮かびニンマリしてしまう。
先駆者への批判、中傷、指弾は世の習いであり、
「全員集合」チームも例外ではなかった。
しかし彼らは「降りやまなかった大雨と、終わらなかった大事件はない」を
合い言葉に困難を乗り越えてきたという。
メンバーの不祥事でマスコミの批判が激しさを増していたとき、
ファンからの暖かい応援にスタッフたちが元気付けられたエピソードは
本書のハイライトのひとつだろう。
いかりや長介には心を打たれた。
芸人として、そしてリーダーとしての
いかりや長介に時には反感も覚えたが、
ドリフターズが危機にあったときの超人的な働きぶりは敬服に値する。
あれほどのグループを引張った人はやはりただ者ではなかった。
読後はドリフターズの原動力であった彼に
「お疲れさまでした」と声をかけたくなる。
『8時だヨ!全員集合伝説』 居作昌果:双葉社... 続きを読む
『8時だヨ!全員集合伝説』 居作昌果:双葉社... 続きを読む
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