ご隠居、坂本氏のエッセー。
坂本氏は心筋梗塞で倒れたのを機に会社を辞めます。
奥様に家でゴロゴロするなと言われ、
東京外国語大学でポーランド語を学ぶことに決めます。
理由は「暇つぶし」と「ボケ防止」でした。
しかし、いざポーランド語を始めてみると、自身が「ポーランド・オタク」
になっていることに気づいたそうです。
本書は「学生生活」と「ポーランド紀行」で構成されています。
「学生生活」では好奇心と知識欲旺盛な坂本氏の自画像が描かれています。
その中で坂本氏が若者の意見を聞いて若者から何かを学ぼうとする姿勢は評価できます。
確かに「最近の若者は...」と愚痴に近いものはないわけではありません。
しかし、若者の「悪い点」だけでなく「よい点」と「苦労している点」もしっかり
見ており、坂本氏の温かい眼差しを感じることができます。
坂本氏はすでに三度ポーランドを訪れているそうです。
「ポーランド紀行」では語学研修の模様、そこで知り合った人々、結婚式、料理、
列車の旅などがユーモアに綴られております。
定年退職後の生き方の一つを提示しており、時代のニーズに合った本です。
重複する話を整理すれば、すばらしいエッセイストになる素質が坂本氏にはあると思います。