個人的にハズレのない作家だと思ってはいたものの、
なかなか新作がでない寡作ぶりだったのですが
遂にというか、ようやく新作です。
「ロミオの災難」「Xトーク」
とホラー風味の作品が続いてたのですが、
本作はデビュー作の「哀しみキメラ」に近い伝奇もの、と言う括りになるか。
内容的にも「人でなくなった人間」達の物語ですしね。
ただ「哀しみキメラ」が化物となってしまった過酷な運命を
主人公達がそれでも懸命に生きた、そんな姿を描いた作品なのに対して
本作の主人公は凡人であって「人でなくなった人間達」
とどう渡り合っていくか、折り合いをつけていくか
って点で視点がちょっと違います。
ただ共通して物語がちょっと地味。
「ロミオの災難」「Xトーク」がホラーながらも
日常描写に軽妙な面白味があったのに本作はちょっと少ない。
キャラに思い入れが出来ないまま話が進んでしまってる。
続刊があるなら日常描写は増やすべきだと思うな。
なんだったら花姫(ヒロイン)が潜入捜査と称して主人公の
高校に転校してきたらいいのに。
伝奇ものならそれくらいのムチャはあってもいい。