大資本家サミュエル・ブロンストンが60年代初頭に立て続けに製作したスペクタクル大作の中の一本です。監督は『キング・オブ・キングス』で卓越した手腕を見せたニコラス・レイ。しかしいかんせん題材が良くなかったのか、ここではいささか精彩を欠いています。
舞台は1900年の中国。列強諸国を駆逐するためにおこった義和団の乱に対しての各国の抵抗が繰り広げられます。侵略されている側であるはずの西太后率いる中国皇帝府がなぜが悪者のように扱われているあたりから不快度が増します。加えて、列強諸国の行いに戒めを与えているわけでもないところが、本編をただのスケールの大きなアクション映画に降格させています。さらに、本筋にはまったく関係のないロシア貴族のスキャンダルに時間を割くあたりは、水増しなのではないかと思わせるくらいです。
これは薄味で大盛りのアメリカ風中華料理といったおもむき。すべてにおいて中途半端なのですが、巨大なセットと『ベン・ハー』や『史上最大の作戦』などでも活躍した戦闘シーンのプロ、アンドリュー・マートン指揮による迫力ある野外戦は圧巻。また、中国人の母とアメリカ人の父を持つ健気で賢い少女のひたむきさが胸を打ちます。彼女を主人公にしたほうが、数倍味わいのあるドラマが出来たのではないかと思います。