タイトルに惹かれて本を買いました。しかし、本のどこにも50歳で妊娠できたということは出てきませんでした。「理論的には可能」という1行だけの記述のみです。
同じような論法で、「21歳若返った例があります」と突然が文中に出てきたりします。何歳くらいの方がどのようなことをして、どのくらい期間がかかってこういう結果が出たのかということを知りたいと思ったのですが、ただこの十数文字が突如出てきただけに過ぎないのです。
本を読み終わって著者の言いたいことは、この先生の病院に行って「特殊」なクリームを膣に塗って高圧酸素の中に入り、磁気を当てるという治療を受けなさい、そしてサプリメントを飲めば若返るということをいいたいようでした。
しかしその効果も、どのくらいの人に施してどのくらいの人に効果があるのかということは、一切、一行たりとも出ていませんでした。
致命的な矛盾もあります。本の中で先生ははっきりと「妊娠率を改善する薬剤はありません」と書いてあるのです。なのに「特殊」なクリームは効果抜群のように書いてあるのです。
このクリームも中国でマラリアの治療に使われているのをヒントに使った、とここだけが出し抜けに1行出てくるのです。どのような効果があるのかという記述は曖昧です。
先生の不妊治療法の根本にかかわることの記述は1行なのに、ヒスタミン遊離因子HRFだとか、ゲノムだとか、遺伝子という言葉が頻繁にできてますし、紙幅も多く割いてあります。が、仔細に読むとそれが先生の治療と関係あるとは書いてないのです。ありそうには書いてあります。
言葉は悪いですが、この先生はレトリックの才能があって、この病院に行くように誘導されているような気がしました。
大学で化学を学んだ私にとっては、カタカナやアルファベットの羅列はなんら抵抗のないものでしたが、判りやすく伝えたいという気持ちは残念ながら伝わりませんでした。
マウスの実験レベルの成果がいきなり人間の子宮の改善に役立つと書かれると、ちょっと頭を傾げざるを得ませんが、こうした論法が随所に見受けられました。
蛇足ながら、かつて酸素高圧治療で爆発が起こり患者さんが亡くなったことがあるのですが、安全性は大丈夫なのでしょうか。