ロッド・スチュワートがこういう路線を続けることに納得できないファンもいることは承知していますが、私は結構好きです。さすがに5作目が出ると聞いて、また〜?と思いましたが、少し間を置いたせいか、惰性ではなく、気分を新たに作った、という感じが伝わってきます。ダンサブルな曲中心という触れ込みの今作は、グラミー賞を獲った同シリーズ「3」同様、聴き易く取っ付き易いアルバムになっていると思います。何より、ロッドが全曲気持ち良さそうに唄っているのがいい!(なぜか、ロック・クラシックスやソウルブックでは、これほどまでのノリは感じられなかった。)
今のロッドにはスタンダードがとても合っていると思います。彼も65歳になり(喉の手術も経験しているし)、さすがに声に昔ほどのパワーは無くなってきました。無理して昔と同じような曲をレコーディングするより、今の自分に合った曲、65歳の今だからこそ唄える曲を唄うという道を敢えて選ぶ…、というか、そういう自分を楽しんでいるように思えます。といっても、安易な転身、ご都合主義の変わり身とは言わせない、彼独自の「変わらぬもの」はしっかりキープしています。ゴージャス&セクシーな「ちょいワル」なイメージ、ハスキーボイスの醸し出す渋い味わい等々は健在です。これらの彼の持ち味が、年齢を重ねてこう進化したか(退化とは言わせない!)、と感動する思いです。
US盤は、スタンダード盤と6曲多いデラックス盤がありますが、日本盤はUSスタンダード盤の曲目プラス1曲(デラックス盤の中からの)。日本のレコード会社に猛省を促したいです。ちなみに、USデラックス盤収録の「Cheek To Cheek」は、同シリーズ「4」の日本盤ボートラとは別テイクです。ややテンポを遅くして丁寧な仕上げになっています。