ここのボー・トラに収まっている“played twice”をtake1から3まで(このCDでは6→7→3曲目)を順に続けて聴いてください。
“異物”として参加したthad jonesが最初のtakeでは、ねじ伏せる様に“自分の音”でアドリブをやり切っている(その間monkはどこ吹く風でいつもの調子…というのがすごい)が、これがtake2になるともうどこかおかしい。monkの飄々としていながら、硬質で強大なうねりに呑み込まれたように戸惑い、いつもの彼らしからぬ不思議なフレーズを冒頭から展開。次第にmonkが本領発揮。しまいにはtake1と大きく異なる音世界に変質し、終る。
そして正規テイクであるtake3で、thadは2で始まった無骨な世界を勢い洗練させ、どうにか巧みにまとめ上げる。monkはtake1→3と進むにつれ、どんどんと持味を発揮。jonesはこのセッションが終った時、深呼吸して汗ぬぐったんじゃないかと想像してみる。おもしろいドキュメントでした。
因みに、cecil taylorにとってのjimmy lionsがそうであったように、rouseは戸惑う(?)thadを横目にmonkのラインを翻訳し続けてみせる。そりゃthadには大変なセッションだったろうなぁ〜。もう半世紀前の事だけれど、聴いた後“お疲れ様でした”と口の中で呟いてしまった。