オバマ大統領のスピーチを扱った書籍や教本は多々あるものの、同時通訳・放送通訳の第一線で活躍し、また東京外国語大学で教鞭をとる筆者が、実際に自らが通訳を行った経験をもとに、具体的なキーワードやエピソードを紹介しながら、ややもすると難解になりがちな内容を分かりやすいことば遣いで分析を行っている点が斬新です。またオバマスピーチの比較対象として歴代の米国大統領やキング牧師による演説の一部を取り上げるなど、この一冊で米国の主要スピーチを鳥瞰的に学べるのもうれしい。もちろん本書のタイトルからも読み取れるように、一般的にスピーチ下手といわれる日本人読者にとって「目から鱗」なヒントもここかしこに散りばめられており、通訳者ならではの「伝える力」へのこだわりや情熱が垣間見られるおススメの一冊です。