国立天文台『4D2U』プロジェクトの成果物である4次元ビューワ『Mitaka』に関する書籍は数多い。
本書は、『Scenario Dictionary』の名前どおり、このビューワ上で動作させ鑑賞できる100本以上の“シナリオ”をメインコンテンツとしている。
シナリオは、4次元ビューワ『Mitaka』とその機能拡張版『Mitaka Plus』が描きだした美麗かつ精緻な静止画や動画をベースに、『Mitaka Plus』のスクリプト編集機能を駆使して構成・作成されている。
だが、結局はどのシナリオも、目的地へ移動してズームしてぐるうっと1周して、と、基本機能を組み合わせて“宇宙旅行”気分を味わう、それだけで終わっている。
仕様的機能的限界で致し方ない部分もあるが、有り余る機能を自在に盛り込んだ昨今のムービー素材と較べれば、背景が黒いので(宇宙空間だから当たり前だが)明るさがイマイチだし、BGM等もないから【★】、単調に過ぎることは残念ながら否定できない。とくに、流星群の輻射点について学べるシナリオで肝心の流れ星が全く飛ばないのは、演出として相当に致命的だ。
でも、スクリプトのソースが表示できるので、『Mitaka Plus』のスクリプト編集機能でエディットすれば、視点、距離、動作速度、待ち時間などのパラメタを好みの値に作り変えることができるようだ(当然ながら原データの著作権保護意識はお忘れなく)。
付録DVD-ROMには、オプション扱いだが『はやぶさ』『イトカワ』『あかつき』のデータが追加で組み込まれている。これは嬉しい材料だ(注:本文中には全く説明ナシ)。
他にも、基本素材データやスクリプトの文法マニュアルが同梱されている。腕に覚えある向きは、たとえば『はやぶさ』のオリジナルムービー作成などにチャレンジされるのも一興だろう。
愚見をひとつ。8センチサイズのディスクメディアはそろそろ終息させてはどうか。アダプタが入手できず往生したので(泣)。
【★2012.02.25自己レス】
音楽素材(mp3ファイルなど)を自分で貼り付けられる機能が存在した。不明をお詫びする。
個人的には、ヴァンゲリス『アルファ』(アルバム『
Albedo 0.39』所収)がオススメ(笑)。