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5つ星のうち 5.0
2人の女性の魂のぶつかり合い, 2008/4/2
レビュー対象商品: 4分間のピアニスト [DVD] (DVD)
刑務所に服役中の天才少女ジェニーが主人公ながら、視点はピアノの老教師トラウデの側に置かれています。 二人の関係は、普通なら心のふれあいがテーマになりそうなものだが、二人は決して交わりません。寒々とした刑務所を舞台に、互いに別の場所に魂を置き去りにしてきているようだ。殺人の罪を着せられている人間が、そう簡単にピアノ教師に心を開くわけが無いわけで、そのほうがむしろ自然。その上で、少しずつ心を開いていき、互いに共感する部分も出てくる。そのあたりの描き方が上手い。 シューマンやモーツァルトのピアノ曲だけが二人をつなぐ。一瞬近づいたかと思うけれど、その分弾きあうように反発する二人。しかし、音楽という一点においてのみ共通言語を見出す。いや、それも違うかもしれない。「音楽に対する情熱」においてのみ理解し合える、と言った方がより適切か。 そして、話題になっているラストの4分間の演奏です。映画で“演奏の巧さ”を描くには、演出というかアイデアが必要なわけで、ピアノのプロからピアノのピの字も知らない人まで観ている人を『スゴイ!!』と思わさなければなりません。その意味では、その演出は大成功ですね。まぁ、ちょっと反則技ではありますが。 本当に弾きたいもの、自分の心からの叫びを音で表した後のジェニーの晴れ晴れとした表情は、これからの彼女の人生が変わっていくことを暗示しているし、感動させる。 実はこの作品、劇中シューベルトを弾いた木吉佐和美、ラスト4分の壮絶なジェニーの演奏シーンを実際に弾いた白木加絵という二人の日本人ピアニストが演奏に携わっているとか。
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5つ星のうち 5.0
ピアノというよりも, 2010/1/9
レビュー対象商品: 4分間のピアニスト [DVD] (DVD)
ピアノについては、最後の献辞からあのピアノ教師が実在の人物であるから、この物語がある、ということで、 その必然性は当然なのですが。 この映画は音楽の話ではなく、自由と抑圧、愛の不条理についての映画だと思います。 ただ、芸術(現代における自由の象徴)がどうしようもなく体から出てくる時の爆発力を表現するのに音楽はうってつけなのだ、と。 ジェニーの悪魔的な瞳が芸術の一回性や取り返しのつかなさを鮮やかに観客の目に焼き付けてくれる。 ジェニー役の女優は本当のピアニストではないとのこと。 むしろ憑依型の女優ということで間違いないだろう。
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5つ星のうち 5.0
この映画の、この女優の、このピアノ。, 2009/10/10
レビュー対象商品: 4分間のピアニスト [DVD] (DVD)
衝撃的、という言葉がふさわしいです。 主人公の激しいキャラクターや、刑務所内の暴力的な描写が、というのではありません。 そういう点で刺激の強いものなら、他にいくらでもあります。 衝撃的と言いたくなるのは、それらを背景として演奏される、ピアノについてです。 それも、ただのピアノ演奏ではなくて、この登場人物、このストーリーがあって、初めて得られるインパクトが、そこにはあります。 ラストの、あの驚愕の演奏シーンは、まさにこの映画の中でしかありえないピアノになっていたと思います。 それを演じた無名の女優、ハンナー・ヘルシュプルングは、オーディションの時にはほとんどピアノを演奏できなかったというから驚きです。 ピアノのテストで、どうしようもないから腹をくくって、ネコふんじゃったを弾いたというのです。 そこから6ヶ月で、この主人公を演じることができるまでに、ピアノの腕を鍛え上げたというのですから・・・。 その覚悟、情熱たるや、すさまじいものがあります。 スクリーンの中の存在感も、その女優としてのスピリットが現れていたものだと思えば納得です。 そもそも自らが既にアーティストだから、ピアニストというアーティストを、ここまで真に迫って演じることができたのでしょう。 一人の芸術家としてのオーラが、ピアノの演奏シーンに限らず、立ち居振る舞いすべてに漲っています。 芸術に向かうときに、それに自分のすべてを迷いなくぶつけられるだけの才能を持った人は、常人にはない喜びを得ると同時に、逃れようのない厳しさを感じるのではないかと思います。 その喜びと厳しさ両方に、ごまかし無しに全身全霊で向き合おうとするとき、その人の魂が顕れて来る。 これはそういう映画だと思います。 観る側の心にも、突き刺さってくるものがあります。
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