一般論としての戦術を理解するための本ではなく、著者の信奉するサイド攻撃を『熱っぽく、理屈っぽく、監督目線・評論家目線で』語ってある本といった感じです。
流石に、『ベースとなる戦術や布陣に対する知識』は素人より有ると思いますが、その知識(歴史や戦例など)が、著者の偏向的な取捨選択を経て、著者の持論を正当化するためだけに並べられているため、客観性が無く、説得力に欠けます。
一般論としての戦術を理解するなら、すでに他の方が挙げられていた西部 謙司氏のサッカー戦術クロニクルが良いと思います。客観的に、現代サッカーの戦術変遷の歴史を隆盛や衰退の意味(すなわちその戦術の長所と短所)をとらえながら追っていく良書です。
逆に、特定の人物の持論を思う存分に堪能したいのなら、実際にビッグクラブで監督を務め結果を出した方(アンチェロッティなど)が戦術書的なものを出してますので、監督経験のない杉山氏よりも断然そちらをお勧めします。